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【コラム】「ナフサ不足」のリアル。テレビの向こうの“足リている”と、私たちの“作れない”現実

  • 執筆者の写真: デザインポケット大阪本店
    デザインポケット大阪本店
  • 6月7日
  • 読了時間: 4分

こんにちは。デザインポケットです。


いま、ニュースやSNSでも大きな話題となっている「ナフサ(粗製ガソリン)不足」。

中東情勢の緊迫化に伴い、石油由来の製品が日本全体で深刻な供給不足に陥っています。


「ナフサなんて、自分たちの生活にはあまり関係ないかな?」と思われる方もいるかもしれません。しかし実は、私たちデザインポケットが心を込めてお届けしている「食品サンプル」の制作現場にも、いま過去最大の危機が忍び寄っています。


■ 「2月に買えたのが最後」届かないシンナー、洗浄用すら綱渡り

食品サンプルを本物そっくりに、美味しそうに仕上げるために欠かせないのが「着色(塗装)」の工程です。

私たちが使う塗料を溶くためには、どうしてもラッカーシンナーをはじめとする溶剤が必要になります。


しかし、現実は非常に厳しい状況です。

デザインポケットの現場で「塗料用」のシンナーを購入できたのは、今年の2月が最後。それ以降、数ヶ月が経った今でも、全く手に入らない状態が続いています。


シンナー購入ページのスクリーンショット
シンナー購入ページのスクリーンショット

ネットショップの画面を開いても、そこに並ぶのは無情な「取扱停止中」の文字だけ。

添付の画像にあるように、いつも使っている4L缶などのラッカーシンナーは、現在どこを探しても注文すらできない状況です)


さらに深刻なのは、着色だけでなく、使った道具や筆を洗うための「洗浄用シンナー」すら底を突きかけているということです。先日、いつもお世話になっている問屋から、なんとか、本当にやっとの思いで「1缶だけ」流してもらうことができましたが、これが無くなれば次はもうありません。まさに綱渡りの状態が続いています。


■ 政府の発言と、スーパーニッチな現場の「ギャップ」

テレビのニュースでは、政府が「ナフサの国内在庫は十分に足りている」「例年の8割は確保できている」といった発言をしているのを目にします。


大企業であれば、独自のルートで優先的に供給を受けられるのかもしれません。しかし、私たちのような中小企業、しかも「食品サンプル」というスーパーニッチな世界のものづくり現場は違います。


私たちが1日に使うシンナーの量は、大工場に比べればごくわずか、ほんの「少量」です。

そのため、普段は専門店や量販店などを通じて購入していました。しかし、市場全体の流通が目詰まりを起こしている今、そうした末端のルートには例年通りの供給など、全くと言っていいほど降りてきません。


■ 「少量と言えども、無ければ作れない」

「ほんの少ししか使わないなら、なんとかなるのでは?」


そう思われるかもしれません。しかし、現実のものづくりはそんなに甘くありません。

どれほど少量であっても、「無ければ塗料を溶くことすらできない」のです。


色が塗れなければ、食品サンプルは完成しません。

道具がない。材料がない。ただそれだけの理由で、職人たちの手が止まり、生産がストップしてしまう。これが今、私たちの目の前で起きている現実です。


すでに、長年ともに日本のものづくりを支え、食品サンプルの材料を専門に作ってくださっていた工場の中には、この波に耐えきれず廃業を余儀なくされたところも出てきています。日本の誇る文化である食品サンプルの技術や繋がりが、この原材料不足によって静かに失われようとしています。


■ 一日も早い供給を願って

私たちデザインポケットは、これからも大阪・難波の店舗や体験教室、そして全国の皆さまへ「おいしそう!をカタチに」した笑顔をお届けし続けたいと強く願っています。


しかし、現場の努力だけではどうにもならない壁があります。

国や流通の垣根を越えて、私たちのような小さなお店や職人の元にも、一日でも早く、必要な資材が安定して供給される日が来ることを、切に願うばかりです。


いつも応援してくださる皆さまへ、現場のリアルな声としてお届けさせていただきました。

これからも今できる最善を尽し、ものづくりの灯を絶やさぬよう踏ん張ってまいります。

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